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父に花を供えます

生臭坊主の読経で落ち着いたけれども、
弔辞、焼香、喪主挨拶などで私のハンカチはずっと湿っていた。
うう、湿ってる…と思いながら泣き、やっぱり泣く以外ないんだなと思いながら泣いた。
人前で話すことに慣れている母の挨拶は、立派だった。

参列してくれた、親族以外の人が焼香をするとき、
母をはじめとした私たち家族は、ひとりひとりに頭を下げた。
父の友人や職場の人たちなどが焼香を済ませて、私達にも頭を下げてくれる。
私たちも応える、ありがとうございます。
列の最後の最後にいた、加害者が死にそうな顔をして私たちの前に現れ、
小さい小さい声で、すみませんでした、と言って頭を下げた。
私は、あっ、と思ったけれどもあほみたいに頭を下げてしまった。
あ、あれ、なんで頭下げたんやろ私。なんか流れで。
下げんでも。何下げてんの。
でも、罵倒したい気持ちもなかったし、どうするのが正解だったんだろう。
どうしたらよかったのかなあ。と今でも思う。
あのときは、あの人と関わりたくないっていう気持ちしか、私にはなかったのだ。

出棺前、父の棺が開けられて、みんなで父の周りに花を供える。
お父さん、こんな花まみれになって嬉しいんやろうか。
お父さんは花が好きやったんやろうか、好きな花とか、あったんやろうか。全然、知らん。
そんなことも思ったけど、その時は父に花を供えることしかできなかった。
見知った顔ぶれが、父を花まみれにしていく。
旦那に抱かれた娘が、私の後ろで「じいじ、ねんね」と言う。
駆けつけてくれた義母が、私の頭を撫でてくれる。
私はそれらを覚えているが、泣くのに精いっぱいで、それらに応えることができなかったのだった。


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Author:とり子
33歳主婦、
夫と娘がひとりずつ。

本を読んだりアニメを見たり呪ったり。


私の・私による・私のためだけの・読書日記もつけています。
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