10

15

コメント

祖父の戦争

祖父のお見舞いに行ってきたが、
私も、一緒にいた母も、「祖父(母にとっては父親だけど)はもう長くない」ということを感じた。
そして、それを一番感じているのはほかでもない、祖父自身だった。

祖父、齢88、たくさんの人生の苦難を乗り越え、
いい人生だった、ありがとうとひ孫(私の娘ですね)の手を握りながら泣くのだった。
私は、祖父の傍らに座りながら、
いや、じいちゃん、まだ終わってないから!って言うのだけど
私は今回お見舞いに来れて本当に良かったと思うのだった。
きっと、次、会うことはできないだろうと思った。

母も、そんなようなことを言っていた。
そして、母、今までの祖父の人生のことを根掘り葉掘り聞きだしている。
すると、今まで祖父が語らなかった戦争のことなど
聞くことが出来たようだ。

祖父は、飛行機に乗りたかった。
飛行機に乗るために、親のハンコを盗んで海軍に志願した。
憧れて入った海軍は、それはもうきつくてつらいものだった。
やがて祖父は、戦争に出される。
戦闘機に乗って、戦うのだ。当時まだ20歳とかそれくらいだったんじゃないか。
しかし撃たれてしまった。
祖父は銃弾を浴び、飛行機は海に撃墜、他の仲間は全滅していた。
奇跡的に生きていた祖父は、海に何時間も浮いたままだった。
そして、巡回していた中国軍の船に助けられ、そのまま捕虜となった。
捕虜となった祖父を、寝ずに看病してくれた軍医がいた。
その軍医は、仲間に「なんでそんな敵兵を一生懸命助けるんだ」と言って非難された。
軍医は「私にもこれくらいの歳の息子がいるのだ」と言って、
祖父は助けられた。
祖父はそのまま生き延びることが出来た。
戦争が終わって、祖父はその軍医を探して中国まで行った。
しかし、軍医は戦死していたのだった。
祖父は、海に浮いていた自分を見つけたのがあの船じゃなかったら
確実に殺されていたという。

こんな、映画のような出来事が祖父の人生にあったのだった。

母は、戦争を経験した人の話は聞いておくべきだと思って祖父からこの話を聞き出したのだという。
私は、祖父の受けた銃弾の傷跡を見た。
もうかなり薄れてわからないほどだったけど
確かにそこに戦争はあった。

寝たきりで、苦しそうに呼吸をする、小さくなってしまった祖父には
私には太刀打ちできない時間と経験が詰まっていた。


じいちゃんがしぬの、いやだなあ、とふっと思ったけど
死を受け入れる時間があるということはいいことかもしれない。


クリックしてみてね。

育児日記 ブログランキングへ
スポンサーサイト
web拍手 by FC2

じゅいえ

すごい・・・!
すごい人生ですね・・・
生まれてきた時代が少し違うだけで、
現代の普通の人間が到底経験し得ないようなことを経験されていますね。
私の母の叔父は、戦後シベリアに抑留されていました。
母がそのときの話をどれだけ聞き出そうとしても、
決して口を開かなかったそうです。
つらすぎて、とても人に語る事などできなかったのでしょうね。
先日、その母の叔父の七回忌の法要を済ませてきました。

おじいさま、とり子さんの娘さんを見る事ができて本当に良かったですね。
寿命はどんどん長くなっているとは言え、
まだまだひ孫まで見れる人は少ないのではないのでしょうか。
私は、ひ孫まで見たいと思えるほど長生きすることを望めるかはわからないけれど、
そこまで生きることができて、尚かつ「良い人生だった」なんて言えたら素敵だなって思います。
生きるって、深いですね・・・

10

15

02:55

とり子

じゅいえさま、コメントありがとうございます。

やはり、戦争経験者は壮絶な体験を持っています。
じゅいえさんの大叔父様の体験も、話せないほどですから…相当な体験だったのでしょうね。
想像もつきません。
テレビのドキュメンタリーで見聞きしたような出来事が、
私の祖父の身にも起こっていたということにすごくびっくりしました。
他の話は聞いたことがあったのですが。
他のところで再び捕虜になった祖父は、食べ物をたくさんもらってなぜか太って帰還したとか、
そんな優しめ(?)エピソードのみでしたが。

確かに、祖父は孫の私よりもひ孫である娘に会った時が一番うれしそうでした。
ひとつもぐずらない娘を見て、
こんないい子見たことないわ!と何回も泣く祖父…
祖父孝行ができたのではないかと思います。

私も、祖父のように「いい人生だった」と思って、最期の時を迎える準備をしたいものです。
まだまだ先(の予定)ですが…

今回、母が聞き出した祖父の戦争体験、いつか娘に話したいです。



10

15

22:08

管理者にだけ表示を許可する

この記事のトラックバックURL

http://musumejigoku.blog.fc2.com/tb.php/528-db08f0b7

プロフィール

Author:とり子
33歳主婦、
夫と娘がひとりずつ。

本を読んだりアニメを見たり呪ったり。


私の・私による・私のためだけの・読書日記もつけています。
ただ読んだ本を記録していくだけのここ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

アクセスカウンター

Designed by

Ad