02

11

コメント

布団のなかで私を探す、読書のなかで私を探す

ほんとうは、ダイハードみるより、古本屋で買ったサリンジャーのフラニーとゾーイーを読みたい。
サリンジャーは、読むのに時間がかかる。めまぐるしく変わる状況についていけなく、
また情景も思い浮かべることができないのでさっぱり頭に入ってこないのだ。
じゃあ読むなと思うけど、
私の好きな人たちがサリンジャー読んでるので我慢して読んでる。
そんな平べったい理由で私は読む本を選んでいるのです。

何年か前に私は結婚したわけだけど、
結婚して、布団を揃えましょうか、というとき、
シングルサイズをふたつ、並べればいいじゃないかと言った私の意見は
「夫婦は一緒に寝るべき」とかなんとかいうどこの決まり事かわからん事を持ち出され一蹴、
有無を言わさずダブルサイズの敷き布団を買われたあのとき、
私はもうひとりで眠るという自由もないのかと思ってゾッとした。
いまでもしてるが。
そして、無理矢理寝ている布団で、
旦那のいびきや寝相が殺意レベルでひどいときなんかは精神が崩壊しそうになる。
私は、これだけは別々にある掛け布団(これが別々で助かった!)に潜り、
私の体臭を探すが、それは私が完全にひとりで使っていた布団とはやはり、全く異なった匂いがするのだった。
私はどこへ行ってしまったんだろうとおもって心許ない。

「私の体臭は他人のそれと取って変わられ、私をひどく不安にさせた」
みたいなことを書いてたのは倉橋由美子。
倉橋由美子の「貝のなか」という小説は、
歯科医大(たぶん)の女子寮に住むことになった「私」が同室の女子たちとやんやする話だ。
主人公の「私」は、慣れない寮生活のなかで、
私みたいに、自分の布団をひっかぶっても自分の体臭を探せずにいた。
私は「うわっ!同じ!つーかこの人私なんじゃね?」と思った。
なんだか他のところでも私と思考が似ているな、と感じることがあり、
私がこの寮にいたら、きっとこの主人公みたいなふるまいをしていただろうと想像した。
それから私は「貝のなか」が好きになり同時に倉橋由美子も好きになったってわけだが、
こういう読書体験をしてしまうともう、読書をせずにはいられない。
そのあと、山本文緒なんか読んでいても自分に会うことがしばしばあった。
なんか、よくわからんけど、私は自分に会うために読書をしているのかもしれない。
そういや、私の母も同じようなことを言っていて、たしか森茉莉の小説だったと思う、それを読んでいて、「これは私だ!」と思える登場人物がいたのだという。
どの小説だったか忘れたけど。

なにを言いたかったのかわからないけど、いま思うのは、「次に布団を買うときはシングルサイズがいい」ということのみだ。
だいたい重いし管理しにくいんだよ、でかい布団は。
スポンサーサイト
web拍手 by FC2
管理者にだけ表示を許可する

この記事のトラックバックURL

http://musumejigoku.blog.fc2.com/tb.php/1029-66cb315a

プロフィール

Author:とり子
33歳主婦、
夫と娘がひとりずつ。

本を読んだりアニメを見たり呪ったり。


私の・私による・私のためだけの・読書日記もつけています。
ただ読んだ本を記録していくだけのここ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

アクセスカウンター

Designed by

Ad